私は2021年3月に自衛隊を退職しました。
まずは、なぜ安定しているといわれる国家公務員をコロナ禍にも関わらず退職し、起業しようと思ったのかお話します。
少々長くなりますが最後までご覧いただけたら幸いです。
私は元々人の役に立ちたいという気持ちが強く自衛隊に入隊しました。入隊してからは仲間と助け合いながら厳しい教育期間をを乗り越え、部隊に配属されてからは車両整備士として自衛隊車両の整備をしておりました。
災害が起きたら出動し地域の方に感謝される「まさに私が思い描いていた仕事だ」とやりがいと誇りを持ちながら日々勤務に励んでいました。
しかし、勤務年数を重ねていくにつれ、様々な思いが私の心の中に沸々と湧き出てくるようになりました。
(自分の代わりはいくらでもいて、自分がいなくても仕事は回るんだ、、、)
(災害時だけでなく、もっと日常的に人と関わる仕事がしたい、、、)
(毎日いくら頑張っても上がらない給料、頑張らない隊員と同じ給料、、、)
このような気持ちが膨れ上がっていき、退職を視野に入れるようになりました。
そして、自分にしかできないことはないかと日々悶々とし、人を喜ばせられる新たな道はないか考え始め、2021年3月に退職いたしました。
コロナ禍での退職ということもあり、上司や同僚は心配して思いとどまるよう声をかけてくれましたが、気持ちは堅く退職を決意したなら早い方が良いと思い今に至ります。
高校卒業後自衛隊に入隊したため民間企業での仕事経験がなく「何を軸に起業するか・人の役に立てること、かつやりがいがある仕事」を模索するところから始まりました。
百聞は一見に如かず。まずは行動しようと飲食店での接客業や派遣業務、不動産の営業、害虫駆除など多種多様なお仕事をさせていただきました。
そのなかでも特にやりがいを感じたのは、意外にもハチ駆除でした。
身の危険を感じるが自分で対処するのは難しいのがハチの巣です。これは人が早急に解決したいと思う悩みの1つです。
その場で迅速に対処できるためお客様にとっても嬉しく、私たちにとってもその場で喜んでいただけるという今まで感じたことのないやりがいを感じました。
この経験から「暮らしのなかでのお困りごとはたくさんある。日常生活で起きるあらゆるお困りごとを解決できるサービスを提供しよう。」と考えるようになりました。
合同会社JINRIKIは元女性自衛官だけで立ち上げた事業です。
目まぐるしく変わる世界情勢に予測不可能な自然災害等、自衛隊はなくてはならない存在です。
しかし、様々な理由から自衛隊を退職したいと思う隊員は多く、辞めたいけど辞める勇気が出なかったり、やりたいことがわかず悩みを抱えたまま、自ら命を絶ってしまう隊員もいるのが現状です。
「人の力で人を助ける・人の力で人の悩みを解決する・人の力で人を笑顔にする」人の力の凄さ、そして何より「人」を大切にしたいという想いを込めて『JINRIKI(人力)』と名づけたこの事業。
将来的にはお客様はもちろんのこと、自衛隊という特殊な組織の中で苦しみ悩んでいる隊員にも、退職後の選択肢として手を差し伸べられる環境を私たちが作りたいと思っています。